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仙道緑(1000円の男)
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    ■2006/05/03(水) シホ その3

    目の前に見える大きなゲームセンターのプリクラコーナーに入ろうとしたが、その店は男性は立ち入り禁止らしく、別の店へ移動する。
    僕が学生のころは、プリクラの機体はもう少し慎ましいサイズで、ましてや男女別などに分かれてはいなかった。離れているつもりはなかったのだが、友人に合わせて関わったりしていない間に、俗世は常に流れ続けているのだろう。
    僕が学生のときに撮った、苦笑いが貼りついているあのプリクラは、まだ誰かの手帳の中にいるのだろうか。・・・等と考えていると、シホさんが袖を引いていることに気づく。
    「ねぇ、背景はどれにする?」
    無数にある色とりどりの枠を、シホさんは嬉しそうに選んでいる。
    「はっきり言って、僕はプリクラを何年も撮ってないんだ。まるっきり初心者レベルだから、操作とかはシホさんにお任せするよ。」
    僕がそう言うと、シホさんは少し残念そうに頷いて、再びフレームや写真のサイズを選び始めた。ひょっとすると、僕は「夕飯は何でもいい」系のミスを犯したのかもしれない。そう思って少し後悔したが、シホさんはさして悩む様子も無く、慣れた手つきで選択を続けていく。
    「オッケー、じゃ、撮るよ。ポーズはどうする?」
    そう言ってシホさんが決定ボタンを押すと、背後から色つきの幕が降りてきて、強烈なライトが下から照らされる。なるほど、僕の時代より値段が上がっただけあって、色々な機能が付いているようだ。などと、感心している暇はない。目の前の画面では、カウントダウンが着々と進んでいる。
    「ポーズ?どうすればいいんだい?」
    僕がとまどっていると、シホさんは少し首を捻って考えると、僕の両腕を掴み、自分の肩の上を通して、僕の手を両手で掴む。年下の女性にリードされっぱなしで情けないが、この件に関しては経験の差は歴然だ。素直に彼女の頭の後ろから画面の奥にあるカメラを探すと、仄かに香る香水の他に、女の子らしい髪の匂いがして、少しドキリとするが、シホさんはそんな事に気づくそぶりも無く、破顔一笑で画面に向かっている。
    「3,2,1」
    録音された明るい声が、シャッターのタイミングを何度か告げると、今度は落書きをする為に、機体の裏に回れとディスプレイから指示をされる。
    「あ、落書きはあたしがするよ。ちょっと待っててね。」
    そう言うと、シホさんは一人カーテンの中へ入っていった。手持ち無沙汰ではあるものの、確かにこの僕に素晴らしい落書きができるとは、自分でも思えない。店の中を観察したりして時間をつぶすことにした。カラオケはともかく、ゲームセンターのプリクラは「1000円の男」をやっていないと、まず入る機会の無い場所だ。

    「はい、出来たよ。あれ?そっちのプリクラのほうがよかった?」
    僕が他の機体の説明文を熟読していると、シホさんが出来上がったプリクラを渡してくれた。軽くかぶりを振り、貰ったプリクラを見ようとすると、
    「あ、ダメ。恥ずかしいから、私がいなくなってから見て!」
    と制される。なぜ恥ずかしいのかはよくわからなかったが、その通りにすべく、鞄に入れる。シホさんも、「月曜日、皆に自慢しよっと。」と言って、大切そうに手帳にプリクラをしまう。固い笑顔が写っていないか心配だが、シホさんの自慢になるような物になったのなら、光栄だ。

    ゲームセンターを出、改札口までシホさんを送ると、シホさんは何度も手を振りながら、電車へ乗りこんでいった。門限は七時なのだろう。大人びた服装や化粧と、言動の節々に垣間見える子供らしさのギャップが、可愛らしい女性だった。


    家路へ向かう電車内。忘れないうちにと、鞄を開けて件のプリクラを見てみる。

    笑顔のシホさんと、そんなシホさんに抱きついた格好の僕。紛れも無く先ほどの瞬間を切り取ったものだ。・・・が、少々違和感があるとすれば、僕に猫の耳とヒゲが描かれ、「シホのもの。1000円でお買い上げ!」と、矢印で注釈がされている事だろう。
    僕は表情を崩さないように苦労しながらプリクラをしまい、鞄を閉じると、このプリクラを部屋のどこに隠そうか思案をしながら、まぶたを合わせて、座席に深くもたれかかった。

    さようなら、シホさん。お友達に誤解をされないようにね。

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