■Profile

仙道緑(1000円の男)
  • 仙道緑(1000円の男)
  • 「1000円の男」の、断片的な思い出。登場人物の名前は、すべて仮名です。
  • RSS
  • まとめ
  • 「1000円の男」のblogへようこそ。

    初めて来た人は、ルールをご覧下さい。

    不快な表現や、表現不足で忌諱に触れることもあると思いますが、何卒ご容赦下さい。

    また、当blogはリンクフリーです。是非、気軽にリンクしてください。

    コメントは制限していませんが、トラックバックは許可制になっています。記事に関係の無いトラックバックは、受け付けていませんので、ご理解下さい。



    ■Link

  • 帰ってきた えろくない「絵」ろぐ。
  • 濡れた花
  • やさしくなりたい・・・
  • こむぎさん日記
  • 花色衣
  • mixi 仙道緑


  • ■Link me

  • お気に入りに追加
  • はてなアンテナに追加
  • はてなブックマークに追加
  • はてなRSSに追加
  • ドリコムRSSに追加
  • BlogPeopleに追加
  • My Yahoo!に追加
  • livedoorReaderに追加
  • PAIPO READERに追加
  • Feedpathに追加
  • Bloglinesに追加
  • Google Readerに追加
  • del.icio.usに追加
  • リンクに追加@fc2blog
  • [Q&A] Quadro Archives


  • ■Search



    ■--/--/--(--) スポンサーサイト

    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。

    --:-- | トラックバック(-) | コメント(-) | スポンサー広告 | Page Top


    ■2006/08/22(火) ヒトミ その6

    「なんか、あの人ホストの人みたいだね。」
    次々と運ばれる料理を機嫌よくほおばりながら、ヒトミさんが言う。あの人とは、先ほどから何度か料理を運んでくる給仕のことだろう。容姿もそうだが、大きな声と明るい笑顔が、接客業のプロを思わせる。
    「そうかもね。ホストクラブには行ったことないけど・・・仕草とかが、ホストでもやれる人かもね。」
    「うんうん。仙道さんも、今度ホストクラブに行って研究してみたら?」
    「うーん・・・考えておきます。ホストクラブに行きたい人が大多数だとは、まだ思えないので。」
    「そっかー。でも、煙草を口にくわえたら、条件反射で火をつけに来る男の人って、なんか嫌だなぁ。」
    「そうだね。自分は吸わないのに、そんな癖がついたらちょっと怖いね。」
    などと話しているところへ、次の料理がきた。明らかにヒトミさん一人では食べきれない量に、僕も覚悟を決めて箸を進めることにする。妙に辛かったり、意外に甘かったりする料理を二人で食べている間、口数は自然と増えていった。


    会計を済ませ、レストランを出るころには、辺りはすっかりと暗くなっていた。日は落ちても気温はあまり下がらず、夏の気配が満たされている。レストランを出た後、どこへ向かうでもなく、コンビニの前まで歩いていると、突然ヒトミさんが僕の前に立ちはだかった。
    「仙道さん、火。」
    「火?」
    「そう。さっきのホストの話よ。仙道さんも、いざというときに練習したほうが、いいんじゃない?と思って、さ。さぁ、火を貸してもらえる?」
    そう言って、ヒトミさんは鞄の中から100円ライターを取り出して、僕に渡す。ピンク色のライターを握った僕は、煙草を持ってもいないヒトミさんを見て、首を傾げる。
    「いいから、いいから。」
    僕は良くわからないままその言葉に頷くと、ライターに火がつくのを確認して、影を添えるようにヒトミさんに近づく。
    煙草を吸ったことがないので、いまいち勝手がわからなかったが、映画で見たシーンを真似て片手で風を遮り、ヒトミさんの顔の近くまで火をつけずにライターを近づける。

    「こんな感じでいいですか?」
    ヒトミさんは僕の言葉に満足げに頷くと、ポケットの中から先ほどの地図を取り出して、くるくると煙草の様に丸めた。
    「火、つけて。」
    ようやくヒトミさんのしたいことが理解できた僕は、ヒトミさんの目を見ながら、100円ライターに火をつける。
    人差し指と中指で挟んだ地図に、そっと触れるだけのキスをすると、ヒトミさんは小さく燃える火の中へ、丸めた思い出を差し込んだ。

    新聞紙のような乾いた紙にはすぐ火がつく。それをヒトミさんが見つめていたのは、2,3秒ほどだっただろうか。どこか冷めたような目で、半分ほど燃えた紙を水の入った吸殻入れに入れると、
    「さ、行きましょうか。」
    と、表情を切り替えて僕へ言った。そのあまりにサバサバした表情に、「やっぱり、女性は強い」なんていう妙な感想を持ったのは、ほんの数分間だけのこと。
    角を曲がった時に、ヒトミさんの方から無言できつく繋がれた手は、なにか掴まるものを、強く欲しがっていた。僕はそんなヒトミさんの顔をあえて見ないように、しっかりと強く握り返し、暗く濁った空を見上げた。少し曇った都会の空には、雲は見えても星は見えなかったが、赤く燃え上がった、さきほどのライターの炎の残滓だけが、街のどんなネオンよりも深く、目の奥で輝いていた。

    さようなら、ヒトミさん。今度は素敵な思い出を作ってくださいね。
      
    スポンサーサイト

    15:40 | トラックバック(0) | コメント(2) | オモイデ | Page Top


    <<ヒトミ その5 | ホーム | カチ>>


    ■コメント


    1000さんには、何かきっかけや助けを欲しがっている女性を見分ける力が備わっているのでしょうか?ヒトミさんはきっと前に進める気がします。
    【2006/08/22 23:47】 URL | ゆうひ #AYRbcOxw [ 編集]

    見分ける力はもっていませんが、僕は1000円の男をしているときは、なるべく出会った女性の内面や過去を知ろうとします。その結果、こうした結果になるのかもしれません。それが悪いことではないと信じて、これからもやっていくつもりです>ゆうひさん
    【2006/08/23 21:21】 URL | 1000 #- [ 編集]
    Page Top


    ■コメントの投稿














    管理者にだけ表示を許可する

    Page Top


    ■トラックバック

    トラックバックURL
    http://1000yenman.blog61.fc2.com/tb.php/114-2ec588b7
    Page Top


    |


    04 2017/05 06
    - 1 2 3 4 5 6
    7 8 9 10 11 12 13
    14 15 16 17 18 19 20
    21 22 23 24 25 26 27
    28 29 30 31 - - -


    ■Recent Entries

  • あとがきにかえて(03/03)
  • ケツロン(02/12)
  • 少し休みます(01/16)
  • フジエ その7(01/15)
  • フジエ その6(01/14)


  • ■Recent Comments

  • Owcherix(11/17)
  • Rdfuwnsl(11/07)
  • "MATUDA"(11/01)
  • りぃこ(10/01)
  • ゆう太(02/22)
  • kyo-ko-coco(02/18)
  • chiemi(02/16)


  • ■Recent Trackbacks

  • ばみりおんぷれじゃあないと:勇気のある人(09/21)
  • Word's Living*:リンク追加!(09/13)
  • やっぱり占いが好き!クチコミ情報局:あなたは何型ですか?(09/08)
  • オススメ!ブログの達人:今日一日僕を1000円で買いませんか?(08/07)
  • ひくちこ屋。:1000円の男。(06/22)


  • ■Category

  • 未分類 (4)
  • オモイデ (166)
  • エトセトラ (58)
  • ルール (1)
  • 名前の募集 (1)


  • ■Archives

  • 2006年04月 (17)
  • 2006年05月 (23)
  • 2006年06月 (24)
  • 2006年07月 (25)
  • 2006年08月 (28)
  • 2006年09月 (24)
  • 2006年10月 (28)
  • 2006年11月 (22)
  • 2006年12月 (23)
  • 2007年01月 (14)
  • 2007年02月 (1)
  • 2007年03月 (1)


  • 上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。